【ブランディング&マーケティング支援事例】自分たちだけではできないことをしてくれた。【ジオ・ナビオ株式会社様】
- 公開日: 2025.10.25
- 更新日: 2025.10.25
福岡を拠点にエクステリア・外構事業を展開されているジオ・ナビオ株式会社様。
地域の職人ネットワークと高い技術力に支えられ、創業から20年以上続く企業です。
代表の坂本さんと私(荒武)の出会いは約7年前。
共通の知人の紹介でご縁をいただき、広告やユニフォーム制作などをお手伝いする中で、節目の年に「会社のこれからを見つめ直しませんか」とご提案。そこからリブランディングをお手伝いさせていただくことになりました。
今回は、その過程をリアルにご紹介します。
チームって、難しい。ずっと経営課題なんです。
打ち合わせの中で坂本さんがふと口にした言葉が、今回のきっかけでした。
「昔はね、自分が4人いたら儲かる会社になるんじゃないかって思ってました(笑)。
でも、それじゃダメだと気づいたのが10年前。組織が大きくなるほど、想いを共有できない人と働く難しさが出てきたんです。」
どれだけ技術があっても、個の力だけでは会社は伸びない。
坂本さんは「失敗を共有できるチームこそが強い」と言います。
「失敗を責めるよりも、仕組みとして次につなげる。
嘘やごまかしは一番の失敗になる。だから誠実であることが、うちの文化なんです。」
この「誠実」という言葉。ジオ・ナビオさんを語るとき、必ず出てくるキーワードです。
それは理念として掲げているからではなく、日々の判断や行動の中に自然と滲み出るもの。
社員の皆さんや現場での空気を見れば、それが本物だとすぐに分かります。
けれど、「誠実」は伝えにくい。
派手さはなく、地道で、形にしづらい。
だからこそ、それをどう外に届けるかが、最初のテーマでした。
昔ながらの職人文化から、今に合うチームへ。
「この業界、昔は職人のつながりで育っていました。
現場で施工して、仕事が終わったら飲みに行って、技術を教え合って、横のつながりで成長する。でも、今はそれがどんどん減ってきている。」
坂本さんは、業界の変化を冷静に見ています。働き方も、人との関わり方も変わった。
ならば、職人の育ち方も変わらなければいけない。
「柔軟に変化できる会社でいたい。職人が稼げる業界をつくりたいんです。」
現場を大切にしている人ほど、変化に前向き。その姿勢こそが、ジオ・ナビオさんの根っこにあると感じます。
ただ、この「姿勢」もまた、実際に現場で肌で感じないと伝わりにくい。
誠実さと同じように、いい会社ほど言葉になりにくいのです。
直感で、「ここで働きたい」と思った。
私自身、ジオ・ナビオさんと関わって7年になります。
訪問するたびに感じるのは、雰囲気の良さ。忙しくても全員が笑顔で挨拶してくれる。
会議室の外から笑い声が聞こえてきて、ピリピリした空気を一度も感じたことがない。
「自分もここで働きたいな」と素直に思える会社です。
それなのに、外からはまだその良さが知られていない。
社外への発信が少なく、誠実さや信頼感が伝わりきっていない状態でした。
企業としての誠実、信頼、スタンス。
そうした目に見えない魅力こそが、ジオ・ナビオの小さな課題であり、今回のリブランディングの出発点になりました。
嘘をつくことが、ジオ・ナビオらしくないこと。
最初に行ったのは、全社員参加のワークショップ。
会社の歴史や文化、価値観を棚卸ししていく中で、こんな質問をしました。
「この会社がジオ・ナビオじゃなくなるのは、どんなときだと思いますか?」
この質問に対して全員の答えは、
「嘘をつくこと。」
まさかの全員一致。この瞬間、「誠実」という言葉がスローガンではなく、生きた文化として存在していると確信しました。
脳内を共有できて、すごく助かってます。
3ヶ月間のワークショップでは、会社の歴史を振り返りながら、理念やビジョンを言葉にしていきました。
「最初はブランディングで何が変わるのか、不安でした(笑)。
でも進めていくうちに、みんなの中に言葉になっていない想いがあると気づいたんです。」
理念にある「物心両面での幸せ」という言葉も、みんなの中で再確認されていきました。
「今まで感覚で共有していたことが、言葉になったことで伝えやすくなった。これは、自分たちだけではできないことをしてもらったと思っています。」
この言葉を聞いた瞬間、心の底から嬉しかったです。
ブランディングは何かを「作る」仕事ではなく、「もともとある良さを整える」仕事だと改めて感じました。
タグライン「ちょっと嬉しいを暮らしに。」の誕生秘話。
何度も納得するまで全員で話し合い、事細かに会社の存在そのものを定義していきましたが、その中でブランドの象徴となるタグラインは、ある社員の一言から即決で生まれました。
「エクステリアって、お客様からするとやっぱり家が主役なんですよね。
夢のマイホームを楽しみにしているお客様に、「ちょっと嬉しい」を届けるのが私たちの仕事なんです。」
その瞬間、全員が「それだ」と納得。
「ちょっと嬉しいを暮らしに。」というタグラインが誕生しました。
ジオ・ナビオらしさを一行で表す、やさしい言葉です。
▼表紙

ロゴマークを意識し、誠実さを感じるデザイントーンでブランドの第一印象を形にしました。
▼企業コンセプト

▼タグライン

ジオ・ナビオの仕事観を一行に込めたタグラインを紹介。
▼MVV

日々の判断基準を言葉で共有するためのブランドブック要素です。
内製化から始まる、続くマーケティング。
ブランディングは、定義して終わりではありません。定義してからがようやくスタート。
ホームページのリニューアルをきっかけに、SEO・MEO・YouTube・SNSなど、発信の仕組みを整えました。
さらに、ChatGPTを活用した内製マーケティング体制を導入し、社員が記事の企画・執筆・投稿までできるように構築。
「新しいことを始めたというより、もともと自分たちの中にあった想いを整えてもらった感じです。
これからは、このブランドをもっと届けていきたい。」
約1年経たずで、ホームページの閲覧数は約3倍に。
滞在時間も伸び、SNSやYouTubeも右肩上がり。
数字以上に、「何をどう伝えるか」の筋が通ったことが一番の成果でした。
嘘のない会社は、強い。
坂本さんの判断軸はいつも「楽しいかどうか」。そのシンプルさが、会社全体の誠実さと自由さを支えています。
「会社が成長するのは、自分が何人もいることじゃない。弱点を補い合えるチームが本当のチームだと思うんです。」
誠実に、面白く。仕事もチームづくりも、結局は人を信じるところから始まる。
それがジオ・ナビオというブランドの本質だと思っています。
編集後記
今回のプロジェクトは、「何かを変えるためのブランディング」ではなく、「もともとある良さを見つめ直す時間」でした。
「誠実であること」「仕事を楽しむこと」「ちょっと嬉しいを届けること」。
この3つは、ジオ・ナビオの毎日の中にすでにありました。私たちはそれを引き出し、整理して、形にしただけです。
ただ、やってみて実感したのは、シンプルであるほど、難しい。派手な言葉やデザインではごまかせない。
嘘のない会社を、嘘のないまま伝えること。それが一番大変で、一番やりがいがありました。
正直に積み重ねてきた会社は、やっぱり強い。
7年前に出会ってからずっと変わらないのは、「人がいい会社は、やっぱり強い」という確信です。
ジオ・ナビオという企業ブランドと関われて、本当に嬉しかったのは私たちの方かもしれません。この仕事は、そんな「ちょっと嬉しい」の連続です。
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