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【ブランド開発事例】服を直す会社から、想いを繕うブランドの誕生。【株式会社リフォーム三光サービス様】

  • 公開日: 2025.11.1
  • 更新日: 2025.11.9
【ブランド開発事例】服を直す会社から、想いを繕うブランドの誕生。【株式会社リフォーム三光サービス様】

株式会社リフォーム三光サービス

手仕事の技術を、未来へ引き継ぐために

福岡を拠点に、九州一円で洋服のお直し事業を展開する株式会社リフォーム三光サービス様。

数多くの百貨店・商業施設でお直しの窓口を担い、確かな技術と対応力で多くの顧客に信頼されています。

代表の宮崎さんとは、知人のご紹介で出会いました。

温厚で、誰に対しても柔らかく接する方。会社にもその穏やかな空気が自然と流れていて、働く人すべてに優しさが根付いています。

そんな宮崎さんが抱いていたのは、「これまでを活かしながら、新しい挑戦をしたい」という想いでした。

「技術も人もいる。だからこそ、次の時代に向けて、これまでとは違う価値をつくりたい。」

その一言をきっかけに始まったのが、新ブランド 「Re:uno(リウノ)」 の立ち上げプロジェクトです。

ワールドシーンでは、戦略設計からネーミング、コピー、ロゴ、VI、ブランドブック、ガイドライン、業務マニュアルまで、およそ6か月にわたりブランド開発をトータルで支援しました。

新しい挑戦は、「何をするか」より「どうありたいか」からスタート

「新しいことをしたいけど、何をすればいいかわからない」というのは長く事業をされている方ほど悩まれるケースが多いのではないでしょうか。

だからこそ、私たちが最初に行ったのは、事業や社風を深く理解するためのヒアリング。

会社の空気感、スタッフの想い、既存顧客との関係性。

そのひとつひとつを丁寧に拾いながら、事業の輪郭を描いていきました。

その過程で見えてきたのは、長年積み重ねてきた「技術力」。単に服を直すだけではなく、お客様の「思い出の服」に向き合ってきたその姿勢が丁寧な手作業として愛されてきたという事実。

それをどう未来につなぐか。

答えが見え始めたのは、「アップサイクル」というキーワードでした。

「もう一度、服を生かす。そのために、もう一度、自分たちの技術を見つめ直す。」

そうして誕生したのが、Re:uno

不要になった服を回収し、新しい一点物として再構築・再販売するアップサイクルブランドです。

Re:unoという名に込めた想い

「Re:uno(リウノ)」というブランド名は、いくつかの候補の中から提案・決定されました。

新しいものを生み出すのではなく、もう一度「ひとつの命」として服を生かす。

この名前が象徴しているのは、再生ではなく再構築。

リフォーム三光サービスらしい静かな情熱を、言葉にしたブランド名です。

「服に、愛を。」若手スタッフの一言から生まれたブランドの心臓

ブランドの言葉づくりでは、ワークショップを開催。

社長の宮崎さんをはじめ、5名のチームで議論を重ねました。

現場スタッフ、管理職、若手、それぞれが「服に対して感じること」を出し合う時間。

男性と女性、ベテランと若手など、視点が交わるたびに新しい気づきが生まれていきました。

そうして出来上がったタグラインが「服に、愛を。」

ひとりの若手スタッフが口にした一言から、ああ、私たちがやりたいのは服を作ることじゃなく、「服にもう一度、愛を与えること」なんだと。

この一言がブランドの象徴です。

お客様の声が、ブランドの存在意義を教えてくれた

ブランド戦略を立てるうえで、現場の皆さまにもご協力いただき顧客アンケートを実施しました。

結果の中で特に印象的だったのは、感謝の言葉の多さです。

「いつも明るく丁寧に接客してくれて感謝しています。」

「急なお願いにも関わらず、早く仕上げていただいて助かりました。」

「もう捨てようと思っていた服が、また活躍しています。」

これらの声が、Re:unoの根幹。

つまり、技術を誇るのではなく、人に寄り添う姿勢まで含めることがブランドそのものだったのです。

ブランドを内側から整える

Re:unoの開発において、もっとも力を入れたのは「内側の整理」でした。

ブランドブックやビジュアルガイドラインだけでなく、業務マニュアルや商品管理ルールまでを設計。

服の集め方から再構築・検品・価格設定・販売まで、すべてのプロセスを可視化しました。

アップサイクルという概念は、美しい言葉で語るのは簡単ですが、実務として運用するには多くの判断と仕組みが必要です。

だからこそ、「理念を形にする仕組み」をつくることに時間をかけました。

この業務設計こそ、Re:unoをブランドとして機能させる土台になっています。

ブランドブックに込めた想い

Re:unoのブランドブックには、単なるデザインやロゴ規定ではなく、

「なぜこのブランドが存在するのか」というストーリーを明文化しました。

服を再構築するという行為に、どんな意味を見出すのか。

その哲学を言葉とビジュアルの両面で整理しています。

ロゴは糸を思わせる細やかな線で構成し、ブランドの繊細さを表現。

「人の手がつくるもののあたたかさ」を、視覚的にも残しました。

編集後記

このプロジェクトは、単なる新規事業ではなく、会社の未来そのものを見つめ直す時間という解釈が正しいのかもしれません。

宮崎さんをはじめとする皆さんの温かい空気、誠実な対話、そして「服と人への敬意」。

それがRe:unoというブランドを形づくる最大の原動力だったと思います。

SDGsやエシカルという言葉が流行しても、本質は「人の手が残ること」。

その温度をどう伝えるかを考え続けたプロジェクトでした。

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