地方の税理士・会計士のためのブランドマーケティング戦略

こんにちは。株式会社World Scene代表の荒武です。
私たちは福岡を拠点に、中小企業のブランディングやマーケティングを通して、事業の成長支援をしています。
今回は「士業(税理士・会計士)のブランドマーケティング」について書いていきます。
兎にも角にも私は創業して現在まで、たくさんの方に支えられましたが、中でも税理士の先生方にはこんな無知な私を導いてくれて頭が上がりません。大好きでリスペクトをしている職業です。
そんな私が「WEB集客」において一番「もったいない」と感じるのが地方の士業です。
資格もある。
経験もある。
実績もある。
それでも選ばれないことには理由があります。
不思議に思われるかもしれませんが、理由はとてもシンプルなのです。
「うちは紹介だけで成り立っているから集客には困っていない」
「人脈で十分」
「規模が大きいから自然と相談が来る」
そんなふうに、顧問先に困っていない士業の方もたくさんいらっしゃると思います。
でも、「もっと顧問先、増やしたくないですか?」というのが今回の話。
増やしたい方に向けて、解説していきます。
先生、何屋さんですか?
まず、たった一つの答えからお伝えすると、士業が選ばれない最大の理由は、専門性やスキル不足ではありません。「あなたが何屋なのかが伝わっていないこと」です。
- 誰を助ける士業なのか
- どんな価値を提供できる士業なのか
- なぜ士業をやっているのか(原体験)
この意味が外に言語化されていないだけで、価値そのものが埋もれてしまっています。
専門性はある。
知識もある。
でも、「あなたに頼みたい理由」が見えない。
ここが地方士業の大きな機会損失になっていると感じています。
これは、集客だけでなく「採用」でもまったく同じことが起きています。
あなたの事務所で働く理由を、求職者もまた見つけきれていないのです。
だからもう一度問います。
「先生、何屋さんですか?」
地方の士業が伸び悩む本当の原因
これは、私自身がWEB業界に長くいるから気になる、というだけの話ではなく、どの税理士も、どの会計士も、ホームページにはほぼ同じことが書かれています。
なんならホームページの構成もだいたい同じです。
それはそうでしょう。
参考サイトとして参考にしちゃっているのですから。
- 創業支援
- 税務顧問
- 節税サポート
- 補助金サポート
これらは確かに必要な情報ではありますが、差別化にはなりません。
実際、創業時の私自身も経験があります。
当時はお金もありませんから、「安い税理士を探す」のが目的でしたが、なぜ安いのか、どんな業界に強いのか、どういう価値観の先生なのかなど、なにも分かりませんでした。
つまり地方の士業は、「資格はあっても、独自性が伝わらない」という状態にかなり苦しんでいます。
これは能力が劣っているわけではなく、「翻訳されていないだけ」なんですよね。
士業が感じる、焦りの正体
福岡の経営者コミュニティに定期的に参加していると、100%と言っていいほど士業の方々がいらっしゃいます。つながりはもちろん、ビジネスなので顧問先がほしいのは当然です。
忙しい中でも毎回顔を出されている先生方からいつもこちらは学ばせていただいています。
しかし、「顧問先はほしい。でも、なぜ選ばれないのか分からない。」というのがリアルなのです。
- セミナーを開いても問い合わせゼロ。
- 紹介が止まったら売上も止まる。
- 広告を打っても回収できない。
- 同業がSNSで伸びているのを見ると焦る。
など、焦る要因は様々ですが、核心はもっと別のところにあって、
「自社の本当の強みが分からない。」
ということでしかありません。これが、多くの士業の方が心の奥で感じている不安だと思います。
資格はある。
知識もある。
でも何が選ばれる理由なのか、自分でも曖昧。
このギャップが、焦りに変わっているのです。
士業がやりがちな間違った集客
これは刺さる人には刺さる話ですが、多くの士業が本当にとりあえずで動きがちです。
- とりあえずセミナー
- とりあえずnote
- とりあえずSNS
- とりあえず広告
- とりあえず異業種交流会
- とりあえず無料相談
真面目だからこそ努力しているのですが、方向がズレたまま動くと、結果が出ないのは当然です。
なぜか。
「自分が何者なのか」を決めていないまま走っているからです。
これは行動量の問題ではなく、構造の問題なのです。
地方で士業が苦戦する構造的な理由
少し冷静になって考えてみます。
地方は市場が狭く、信頼の重みが大きいという特徴からは逃れられません。
- 実績のある大手事務所に流れやすい
- 選び方が固定化されている
- 口コミは強いが広がりが遅い
- SNS文化が都会ほど成熟していない
一部、SNSなどでネームバリューのある先生はいますが特例です。再現性がありません。
つまり地方士業は、「安心できる既存選択肢VSあなた」という構図の中で戦わざるを得ません。
この壁を越えるために必要なのが、「独自性」なのです。
じゃあ、士業は最終的に何で選ばれるのか?
最終的な決め手になっているのは、金額でも、実績でも、専門性でもありません。
「経営者の不安に、どれだけ寄り添えるか」ではないでしょうか。
経営者は孤独です。
数字の重圧、資金繰りの不安、判断の迷い。
その瞬間に、「大丈夫ですよ。一緒に考えましょう。」と言える士業ほど、選ばれているのが事実ではないでしょうか。
そういう事務所だからこそ、顧問先が増えていくのだと思います。
融資が得意という入口かもしれません。
事業計画が得意という入口かもしれません。
しかし本質は、士業とは経営者のメンタルセーフティネットのような側面があります。
先生、先生!と頼られるのです。
だからこそ、選ばれる決め手は人間性が価値になります。
また、強みを勘違いしやすい業種でもあります。
ズバッと言ってしまいますが、資格は強みではなく、「参加資格」でしかありません。
税理士も会計士も、全員が専門性を持っています。
だからこそ、そこでは差がつきません。
大事なのは、「専門性をどう翻訳し、どう届けるか」この一点なのです。
士業に必要なたった一つの戦略
「何屋なのかを、ひとことで名乗ること。」
これだけです。
- 中小企業専門の税理士
- 中小企業専門の黒字化請負人
さて、どっちに依頼したくなるでしょう。
当然人によりますが、大事なのは、「あなたに頼む理由」が一言で分かること。
ここが決まれば、集客は一気に楽になります。
原体験がブランドの核になる
そして何よりも、士業こそ、想いが必要です。
なぜ、士業を目指して大変な資格も取得したのでしょうか。なにか、強い想いがあるはず。
それこそが選ばれる理由になります。
- 親が経営に苦しむ姿を見てきた
- 数字が好きで、その力で誰かを助けたかった
- 倒産寸前の企業を救った経験がある
- 資金繰りに悩む経営者を支えた瞬間を忘れられない
こうした根っこがブランドの強さになります。
資格は能力の証明ですが、原体験は存在意義の証明です。
ストーリーがない状態で選ばれることは、ほとんどありません。
価値ある仕事だからこそ、あなたの価値はもっと選ばれるべき。
士業は必要不可欠な職業です。
私のように、たくさんの経営者が救われています。
だからこそ、埋もれてはいけません。
ブランドが整えば、選ばれ方は必ず変わります。
集客でも、採用でも、どんなテーマでも構いません。
あなたの価値が、きちんと選ばれる状態をつくってほしいと思っています。
もしこの記事を読んで、
- 「うちも見直したい」
- 「少し相談してみたい」
そんなふうに感じていただければ、ぜひ気軽にご相談ください。
▼福岡・九州の中小企業専門伴走型プロデュース「OHIZAMOTOプラン」
月39,000円から、選ばれる会社への脚本をご用意いたします。

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