コラム

Instagramに依存しない、飲食店の集客戦略

  • 公開日: 2025.12.3
  • 更新日: 2025.12.3
あらたけけいし

Keishi ARATAKE

あらたけけいし

Instagramに依存しない飲食店の集客戦略のアイキャッチ画像

こんにちは。株式会社World Scene代表の荒武です。
私たちは福岡を拠点に、中小企業のブランディングやマーケティングを通して、事業の成長を支援しています。

今回は、飲食店の「集客」をテーマに書いていきます。

弊社はこれまで、飲食店のご支援が最も多く、
集客や採用の課題解決にも数多く携わってきました。

それができたのは、「勝ち方」を知っていたからです。

ただ、正直に言うと近年はその勝ち方がセオリー通りにいかなくなってきています。

このエリアならこれ。
この価格帯ならこれ。
求人手法はこれ。

そうした決め打ちの戦い方が通用しなくなりました。

どのお店もInstagramをやり、どのお店もタイミーなど新しいサービスを導入し、業界全体が「横並び」に近づいている。

フォーマットに沿えば成果が出る時代は、もう終わりつつあります。

  • SNSは頑張っているのに、お客様が増えない
  • 毎日の施策が成果に変わらない
  • リールは伸びても予約につながらない
  • 常連はいるのに、新規がまったく読めない

努力が結果に結びつかない時間というのは、本当にしんどいものです。

「もう何をすればいいのか分からない」

そんな気持ちになるのも自然なことでしょう。

私の住む福岡は、とくに「どこも美味しいが当たり前」の地域です。

食材へのこだわり、出汁、調理法、サービスなど、どのお店も本気だからこそ、差別化がとても難しい。

だからこそ飲食店の集客は「味の勝負」ではありません。

美味しいのは前提であり、その上で、「どんな人に、どんな瞬間に選ばれたい店なのか」

ここが決定的に重要です。

SNSやリールはもちろん有効な手段ですが、Instagramが「あなたの本当に来てほしいお客様」に届いているとは限りません。

むしろ、常連になるような人ほど、人に教えたくないからSNSでは紹介しないものです。

本当に必要な答えは、いつも 目の前のお客様の「生の声」 の中にあります。

この記事では、「Instagramを頑張るかどうか」ではなく、Instagramに依存せず、安定して選ばれる店になるために何を整えるべきかを、できるだけ分かりやすくまとめています。

SNSや広告に振り回されているような感覚があるなら、少し立ち止まって「行きたくなる理由づくり」を見直すきっかけになると嬉しいです。

なぜ「美味しいのに選ばれない」が起きるのか

飲食店オーナーには、絶対的なこだわりや自信があるでしょう。

  • 常連さんからの支持
  • 接客・サービス
  • SNS発信

しかし、それでも売上が伸びないことがあります。
これは決して「料理が悪い」わけではありません。
むしろ、美味しいのはもう最低ラインです。

では、飲食店は何で選ばれるのか。

答えはとてもシンプルで、「今の自分にぴったりかどうか」 です。

友達と行くか、一人で行くか。
がっつり食べたいのか、軽く済ませたいのか。
仕事・デート・家族・気分・価格帯・空気感…。

「その瞬間の自分に合うかどうか」で、ほとんどが決まります。

だからこそ整えるべきは、誰の、どんな瞬間に選ばれたい店なのか。

この「ポジショニング」が曖昧だと、どれだけ美味しくても埋もれてしまいます。

逆にここが明確であれば、口コミも常連も自然に増えていきます。

飲食店が陥りやすい「がむしゃら集客」のワナ

集客に困ると、多くの飲食店はまず「手数」に走ります。

  • 投稿頻度を増やす
  • リール量産
  • 広告を出す
  • グルメサイトを追加掲載

これらは一見「努力」に見えますが、最も疲弊する道でもあります。

SNSのために料理して、写真を撮り、文章を考えて、それでも予約は増えない。

このサイクルは心をすり減らします。

飲食店に本当に必要なのは、量ではなく、「勝てる戦略をひとつ決めること」。

大前提としてInstagramはとても有効で、もはや経営戦略の一部です。

もちろん否定する気はまったくありません。

ただ、依存すると必ずズレが生まれます。

それは、「あなたが来てほしいお客様は、Instagramを見ていないかもしれない」
という事実です。

常連ほど投稿しません。秘密にしたい店は、本物のファンが育つ店です。

Instagramは「見られる場所」であって、「選ばれる場所」ではありません。

リールが伸びても予約が増えない理由は、結局ここにあります。

飲食店の戦略は、たった一つで十分

「勝ち筋が分かってれば困ってないよ…」
という声が聞こえてきそうですが、どれだけマーケティングが複雑に見えても、飲食店の本質はシンプルです。

「行きたくなる仕掛けを作り続けること。」

結局これに尽きます。

  • 誰かを連れていきたくなる理由
  • 自分へのご褒美として選ばれる理由
  • ふらっと寄りたくなる理由
  • 記憶に残る小さな体験
  • 価格と満足度のバランス
  • 店主の人柄

この積み重ねこそ、集客が安定する唯一の道です。

飲食店の仕事は、Instagramに写真をアップすることではありません。

業務の一環でしかないのです。

この本質を見失うことが、一番危険だと感じています。

飲食店が選ばれるのは「状況」と「衝動」

また、飲食店はロジックでは選ばれません。

重ねてお伝えしますが、ほとんどが衝動です。

  • 疲れた
  • 癒されたい
  • 野菜を食べたい
  • 落ち着きたい
  • 誰かに食べさせたい

この「気分」を理解している店は、本当に強い。

飲食店のブランディングとは、まさに気分と店を結びつける設計です。

そして忘れてはいけないのが、答えは店ではなく「お客様」が持っているということ。

  • 蕎麦屋なのにカツ丼が爆売れ
  • 居酒屋なのにポテサラだけ異常に出る

このような人気店の真実は、いつも現場にあります。思わぬところに答えは転がっています。

信念やこだわりはそのままに、変えるべきところは柔軟に変える。

この姿勢が、強い店をつくるのだと思います。

最後に伝えたいこと

この記事を読んでいる方は、それぞれ違うフェーズにいると思います。

  • 2店舗目を出したい成長フェーズ
  • 空席を埋めたい緊急フェーズ
  • SNS疲れで燃え尽きかけているフェーズ

悩みは違っても、本質はひとつ。

「新規が安定していない」

Instagramが伸びても売上につながらない理由は、結局ここです。

「見られる」と「選ばれる」のあいだには、大きな溝があります。
この溝を埋めることこそ、飲食店の本質的な戦略です。

あなたのお店は、食べた人が「今日も美味しかった」と感じられる店だと思います。

その本質があるからこそ、「勝てる戦略で、勝ってほしい」と強く願っています。

集客に振り回されるのではなく、「本当に来てほしい人」に届く導線を整える。

それが、お店の未来を守る一番の近道です。

私はチェーン店も大好きですが、人手不足や集客不足によって街の定食屋や居酒屋が減り、資本だけが勝つ世界になる未来は、どうしても避けたいと思っています。

だからこそ、私たちは現場を知らないまま戦略をつくるなんてカッコつけたものではなく、全力で勝つための脚本を描きます。

もし、

  • 「うちも整えてみたい」
  • 「少し相談してみたい」

そう感じていただけたら、どうぞ気軽にご相談ください。

▼福岡・九州の中小企業専門伴走型プロデュース「OHIZAMOTOプラン

月39,000円から、選ばれる会社への脚本をご用意いたします。

OHIZAMOTOプランの画像

この記事を書いた人

あらたけけいし

株式会社World Scene 代表

あらたけけいしKeishi ARATAKE

福岡市を拠点に、中小企業のブランディング・マーケティング支援を行うデザイン会社 株式会社World Sceneを経営。広告業界での経験を経て独立し、「広告に頼らず成果を出す仕組みづくり」をテーマに、工務店・飲食店・美容室・食品製造業など幅広い業種の経営者を伴走型で支援しています。 強みは、経営者の想いを言語化し、戦略とデザインに落とし込むこと。SEOやSNSを活用した集客導線の設計、採用ブランディング、Webサイトやパンフレット制作までを一気通貫でサポート。福岡・九州の企業が「選ばれる理由」をつくり、継続的な成果につなげることを使命としています。 趣味はお酒。経営課題を考える時間と同じくらい、晩酌の研究にも余念がありません。

この記事をシェアする

  • Instagram
  • facebook
  • linkedin

Popular articlesよく読まれている記事

コラム一覧

コラム一覧

ページ先頭へ