コラム

福岡の中小企業ブランディング完全ガイド

  • 公開日: 2025.11.9
  • 更新日: 2025.11.28
あらたけけいし

Keishi ARATAKE

あらたけけいし

こんにちは。株式会社World Scene代表の荒武です。
私たちは福岡を拠点に、中小企業のブランディングやマーケティング、デザイン戦略を通じて、「志を形にし、伝わる仕組みをつくる」支援をしています。

今回のテーマは、これまで発信してきたブランディングの考え方をすべて一つにまとめた完全ガイドです。

「ブランディングを始めたいけれど、何からすればいいかわからない」
「結局、マーケティングとの違いがわからない」

そんな疑問を持つ方に向けて、これまでの記事を横断しながら整理しました。

最初にお伝えすると、私たちがブランド支援をしてきてたどり着いた一つの答えは、ブランディングとは「心を形にすること」でしかないということです。

新しい事業をする、事業を拡大する、会社の方向性の見直しや周年といった人生の節目において「心をととのえるタイミング」で必要な手段でもあります。

ぜひ、これをきっかけに自社のブランディングについて、考える時間にしていただければと思います。

ブランディングが必要とされる時代

ここ数年、「ブランディングを始めたい」「自社のブランドを作りたい」という声は福岡でも一気に増えたのは間違いないでしょう。

一方で感じているのは、ブランディングという言葉がひとり歩きしているため、認知は広まってきましたが、成果を出している会社はまだ多くありません。

理由はシンプル。
多くの企業が「形を整えること」から始めているからです。

  • ロゴを変える
  • Webサイトをつくる
  • 広告を打つ

どれも大切ですが、それだけでは「選ばれる会社」にはなりません。

ブランディングとは、もっと根っこの話。

心を形にし、それを利益につなげる経営そのものなのです。

ブランディングとマーケティングの違い ― 心と利益をつなぐ関係

まず整理しておきたいのは、
「ブランディング」と「マーケティング」の違い。
この2つの言葉はよく並べて語られますが、
本来は対立するものではなく、補い合う関係にあります。

私の定義はこうです。

「ブランディングは心を形にすること。」
「マーケティングは心を利益にすること。」
ブランドは「志の設計」、マーケティングは「利益化の仕組み」。

どちらか一方だけでは、企業は育ちません。

多くの人が誤解しているのは、
広告やSNSをマーケティングのすべてだと思っていること。
広告もSNSも、マーケティングの一部にすぎません。
同様に、ロゴやデザインはブランディングの一部です。

だからこそ、両者の本質を理解してから動くことが成果への最短ルートになります。

▼詳しくはこちら:「ブランディングとマーケティングの違い ― 心を利益につなげる経営とは」|福岡の中小企業ブランディング

中小企業が陥るブランディングの誤解

先述したように、ブランディングという言葉が広まり、取り組む企業は確実に増えました。

それでも成果が出ないのは、多くの企業が「順番」を間違えているからです。

1. 手段から始めている

ホームページを作る、ロゴを変える、SNSを始める。
どれも大切ですが、それ自体がブランディングではありません。

まず「どんな会社として認識されたいのか」を明確にしないまま動くと、形だけが先に走り、想いが置き去りになります。

2. 短期的な成果を求めてしまう

ブランディングは広告のように即効性で測るものではありません。
目先の反応を追いすぎると、「本当に伝えたいこと」よりも「受けのいいこと」を優先してしまい、結果的に信頼を削ってしまいます。

ブランディングしただけでは何も変わりません。
例えば、「居酒屋」から「昔ながらの居酒屋」と定義しただけでは意味がないのです。

伝えなければ変わらない。

しかし、一方的に伝えるだけではそれはただの広告です。
戦略的に「なぜ伝えるのか」を整理することが大切です。

3. 経営者の言葉が抜けている

中小企業のブランドの根幹は、経営者の言葉です。

理念やビジョンを飾るだけでなく、日常の中で何を大切にしているか。

その生の言葉こそ、社員を動かし、顧客に伝わります。

つまり、心を整える前に形を整えようとしていることが、最大の失敗要因です。

明日から全部変えようと見た目だけを変えても、中身は変わりません。

背伸びをせず、経営者の心を会社の軸として形にし、日々の行動で体現していく。

それが最も地道で、最も確実なブランディングです。

▼ 詳しくはこちら:「中小企業のブランディング戦略 ― 失敗しないための3つの原則【事例あり】」|福岡の中小企業ブランディング

ブランド戦略という設計図 ― 地方企業こそ必要な視点

問題なのは地方の中小企業ほど、「広告」や「営業」頼みの構造から抜け出せずに苦労しています。

一次情報の不足や変化の遅れなど、外的要因も多いのは事実。

しかし今、差を生むのは「どれだけ売るか」ではなく、「なぜ売るか」。

売上という数字を追いかけるだけの仕事では従業員の疲弊に繋がってしまい、結果的に人手不足に陥るのは目に見えています。

そもそも地方企業の強みは、地域に根ざした誠実さや人とのつながりです。

ブランド戦略とは、それを言語化し、「なぜ私たちは存在するのか」を社会に伝えるための設計図。

  • 自社の志を明確にする
  • 競合や市場を正しく理解する
  • 顧客に共感される価値を定義する

これらを整理して初めて、広告や販促、デザインが生きた表現になります。

集客でも採用でも、「盛り上がっているところや面白いところに人は集まる」ということが本質です。小手先のやり方を変えても何も変わりません。

AIの発達によって、これからの時代は「人の心」こそが戦略の要になります。

▼ 詳しくはこちら:「福岡の中小企業が今取り組むべきブランド戦略 ― 成功事例と実践ステップ」|福岡の中小企業ブランディング

ブランディング会社を選ぶ前に知っておくべきこと

今の流れを考えると、「ブランディング会社」という言葉は今後ますます増えていくでしょう。

実際、広告会社やWeb制作会社もブランディングや世界観という言葉を使っていますが、その意味や得意領域はまったく異なります。

  • デザイン会社:見た目を整える
  • 広告会社:集客を支援する
  • 戦略・コンサル会社:志を整理する

こんなところでしょうか。どれも間違いではありません。
しかし、どこから入るかで結果は大きく変わります。

本来、ブランディング支援とは、
経営者の心を整理し、志を形にして、利益につなげる設計をすること。

ロゴやキャッチコピーは、その一部にすぎません。

▼ 詳しくはこちら:「ブランディング会社を選ぶ前に知っておくべきこと」|福岡の中小企業ブランディング

【事例】想いを繕うアパレルブランド

弊社が支援させていただくブランディングには大きく2種類あります。

企業の存在定義から見直す「リブランディング」と、新規事業を立ち上げる「ブランド開発」です。

その中で、株式会社リフォーム三光サービス様では、「服を直す会社」として、「想いを繕うブランド」を新たに構築するプロジェクトを行いました。

経営者の心、会社の文化、お客様の声を起点にブランドを開発。
理念を現場の行動まで落とし込んだブランド及び事業開発事例です。

事例を見る:「服を直す会社から、想いを繕うブランドの誕生」

ブランディングは、生き様そのもの

最後に、ブランディングとは特別な会社だけのものではありません。
そして、「いつかやること」でもありません。

集客、採用、組織、方向性に迷っている。
その瞬間こそが、ブランディングのタイミングです。

ブランディングとは、ロゴを変えることではなく、
経営者や企業の心を整え、想いを社会に伝わる形にすること。

言い換えれば、企業の中にある「志」をもう一度見つめ直す時間です。

私たちWorld Sceneは、福岡を拠点に中小企業の志を軸にした発信と仕組みづくりを支援しています。

戦略という脚本を描き、デザインで演出し、実行する仕組みづくりを通して、企業が「舞台で輝くためのブランディング」を一気通貫でサポートしています。

考える前に、まず話してください。

どんな優れた戦略よりも、実行することの方が大変です。
だからこそ、最初の一歩は「話すこと」から始めてみませんか?

▼あなたの頭の中を整理する90分:福岡の中小企業プロデュース「OHIZAMOTOプラン」|ブランディング

福岡・九州の中小企業専門伴走型プロデュース「OHIZAMOTOプラン」のアイキャッチ画像

この記事を書いた人

あらたけけいし

株式会社World Scene 代表

あらたけけいしKeishi ARATAKE

福岡市を拠点に、中小企業のブランディング・マーケティング支援を行うデザイン会社 株式会社World Sceneを経営。広告業界での経験を経て独立し、「広告に頼らず成果を出す仕組みづくり」をテーマに、工務店・飲食店・美容室・食品製造業など幅広い業種の経営者を伴走型で支援しています。 強みは、経営者の想いを言語化し、戦略とデザインに落とし込むこと。SEOやSNSを活用した集客導線の設計、採用ブランディング、Webサイトやパンフレット制作までを一気通貫でサポート。福岡・九州の企業が「選ばれる理由」をつくり、継続的な成果につなげることを使命としています。 趣味はお酒。経営課題を考える時間と同じくらい、晩酌の研究にも余念がありません。

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