コラム

広告をやめた瞬間、売上がゼロに戻る理由|福岡の中小企業が直面するリスクと解決策

  • 公開日: 2025.9.18
  • 更新日: 2025.9.18
あらたけけいし

Keishi ARATAKE

あらたけけいし

こんにちは。株式会社World Scene代表の荒武(あらたけ)です。

私たちは福岡市を拠点に、地元中小企業が抱える「集客の仕組みづくり」に伴走し、戦略設計からデザイン・発信まで支援しています。

これまで数多くの経営者と向き合う中で、特に多い相談が「広告を止めた瞬間に売上がゼロに戻ってしまった」という悩みです。

広告は即効性がある一方で、依存しすぎると大きなリスクを抱えます。福岡・九州の中小企業が本当に生き残るためには、「広告+仕組み」の両輪が欠かせません。

本記事では、実際の相談事例を交えながら「広告をやめると売上がゼロに戻る」現象の背景と、そこから脱却するための具体策を整理しました。

私が見てきた「広告を止めた瞬間」

広告は確かに即効性があります。
リスティング広告、SNS広告、YouTube広告…。
出稿すればすぐにアクセスや問い合わせが増える。これは間違いありません。

しかし、その数字を「自社の実力」だと勘違いしてしまうと危険です。
広告はあくまで蛇口のようなもの。水道管(=仕組み)がなければ、蛇口をひねった瞬間に水は止まります。広告を止めた瞬間に売上がゼロに戻るのは当然のことなのです。

広告の一時的な成果を「経営の安定」と錯覚することが、最大のリスクです。

実際にあった事例:月50万円の広告費が「売上1万円」に

ある食品メーカーからの相談は、今でも鮮明に覚えています。

その会社は新商品のPRや既存商品の販促のために、毎月50万円という中小企業としては大きな金額を広告に投じていました。リスティング広告やYouTube広告に分散し、代理店がデータ改善を繰り返すものの、成果は次第に鈍化。

そして最悪の時は「広告費50万円に対して売上はわずか1万円」。

社長はか細い声でこう話してくれました。

「もう何をすればいいのかわからん…」

その表情には疲労と不安がにじみ出ていました。

私はその場でこう伝えました。

「広告だけでは無理です。仕組みを変えない限り、同じことの繰り返しです。」

正直に言えば、広告代理店は「データ改善」が仕事です。広告の改善はしても、会社の根本的な仕組みには手を入れません。だからこそ「広告依存」から抜け出す視点が不可欠なのです。

他業種にも共通する「ゼロ戻り」の現象

食品メーカーだけではありません。私が関わった福岡の企業の多くで、同じような「ゼロ戻り」の現象が起きています。

  • 工務店:地域イベントで集客しても、翌週にはゼロに戻る。
  • 美容室・サロン:Instagram広告で新規客は来るが、広告をやめれば来店が止まる。
  • 製造業:展示会で名刺を集めても、継続的な商談につながらない。

どのケースも「一時的な手法」に依存した結果、効果が途絶えた瞬間にゼロに戻っています。

つまり問題は「広告やイベントが悪い」のではなく、仕組みを持たないまま頼り切りになっていることにあるのです。

回復の一手は「広告費の使い方を変えること」

先ほどの食品メーカーでは、広告を完全にやめるのではなく、使い方を変えることから始めました。

  • 最低限の広告費は担保(いきなり完全ゼロにはしない)
  • 浮いた予算を中長期的なコンテンツマーケティングに投資
    • YouTubeは広告ではなく自社チャンネル運営
    • SNSは代理店任せではなく、社員自身が顔を出して発信する体制へ
    • 自社サイトにコラムを定期更新し、SEOで検索からの導線を整備

正直に申し上げると最初の5か月は、全く成果が出ませんでした。社内からも「意味あるのか?」と不満が出るほど。

しかし6か月目に最初の問い合わせが入り、それを機に数字は右肩上がりに。広告費を減らしていたのに、売上は増え続けていったのです。

福岡の中小企業がやるべき「仕組みづくり」

広告を「蛇口」として使い続けるのではなく、会社全体に水を循環させる「水道管」をつくる必要があります。

その具体例は以下の通りです。

  • SNS発信:社員や現場の顔が見える発信
  • SEO/コラム:検索から継続的に見つかる記事を積み上げる
  • YouTube:広告に頼らず、資産になる動画を発信
  • 社員が誇れるメッセージ:社員が外に誇れる理念やストーリーを伝える

福岡・九州の中小企業が生き残るためには、広告依存をやめ、仕組みづくりに投資する勇気が欠かせません。

まとめ|広告依存から仕組みづくりへ

  • 広告は即効性があるが、止めるとゼロに戻る
  • 問題は広告そのものではなく、広告以外の仕組みを持たないこと
  • 必要なのは「広告+仕組み」の両輪
  • 最初の一歩は「経営者自身の頭を整理すること」

広告は悪ではありません。しかし「広告だけに頼り切る」ことは、経営を大きく危険にさらします。

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実際の現場での相談ストーリーをもとに「広告をやめてもゼロに戻らない仕組みづくり」を語っています。

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この記事を書いた人

あらたけけいし

株式会社World Scene 代表

あらたけけいしKeishi ARATAKE

福岡市を拠点に、中小企業のブランディング・マーケティング支援を行うデザイン会社 株式会社World Sceneを経営。広告業界での経験を経て独立し、「広告に頼らず成果を出す仕組みづくり」をテーマに、工務店・飲食店・美容室・食品製造業など幅広い業種の経営者を伴走型で支援しています。 強みは、経営者の想いを言語化し、戦略とデザインに落とし込むこと。SEOやSNSを活用した集客導線の設計、採用ブランディング、Webサイトやパンフレット制作までを一気通貫でサポート。福岡・九州の企業が「選ばれる理由」をつくり、継続的な成果につなげることを使命としています。 趣味はお酒。経営課題を考える時間と同じくらい、晩酌の研究にも余念がありません。

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