コラム

外注がうまくいかない理由と伴走型パートナーの条件|福岡の中小企業の集客

  • 公開日: 2025.9.19
  • 更新日: 2025.9.19
あらたけけいし

Keishi ARATAKE

あらたけけいし

こんにちは。株式会社World Scene代表の荒武です。
私たちは福岡市を拠点に、地元中小企業の集客やブランディングを支援しています。

広告やSNS、イベントなど「一瞬は盛り上がるけれど、続かない…」。
そんな悩みを抱える経営者と日々向き合い、戦略からデザインまで一貫して伴走してきました。

今日は、多くの福岡・九州の企業が経験している「外注失敗」の本質と、伴走型に切り替えることで成果が変わる理由をお話しします。

外注がうまくいかないのは「センス不足」ではない

外注した制作物を見て「センスがない」と感じたことはありませんか?

社長がそう口にした瞬間、会議室の空気はどよーんと重たくなり、スタッフも言葉を失う。私自身、デザインやサイト制作を外部から請ける立場として、そんな場面を何度も見てきました。
正直に言えば「この人は外注に任せすぎているな」と感じることもあります。

でも本当の問題は、外注先や社長の「センス」ではありません。
目的や期待値を共有しないまま走り出すこと。これこそが失敗の原因です。

実際の失敗事例:丸投げが招いた「数字の崩壊」

食品メーカー:広告費50万円が売上1万円に

ある食品メーカーは、新商品のPRのために毎月50万円を広告に投じていました。

リスティング広告、YouTube広告、SNS広告…代理店はデータ改善を繰り返すものの、数字は下降線。
最悪のときには「広告費50万円に対して売上1万円」。

相談に来られた社長は、か細い声でこう言いました。

「もう何をすればいいのかわからん」

数字以上に、その表情が忘れられません。代理店は広告改善が仕事なので、構造自体を変えることはしません。

だから私はその場で社長に伝えました。

「広告だけでは無理です。仕組みを変えない限り、同じことの繰り返しです。」

工務店:イベント翌週は「ゼロ戻り」

ある工務店の社長は、地域イベントで集客をしていました。
「イベントをやれば人は来る」と信じていたのです。
実際、イベント当日はにぎわいがありました。
でも翌週には問い合わせはゼロに戻る。

社長は「これだけ頑張ってるのに、なんで続かないんだ」と肩を落としていました。

美容室:広告で新規は来てもリピーターが育たない

美容室やサロンでは、Instagram広告で新規客を呼び込むことには成功していました。

ところが広告を止めた瞬間、新規の来店が途絶える。

「リピーターが育たない」「スタッフが疲弊する」そんな悪循環に陥っていました。

丸投げの本質は「理解不足」

丸投げ外注の失敗は、センスや技術の問題ではありません。

「なぜやるのか」「誰に届けるのか」を共有していないことがすべてです。

外注先も経営者も「あいまい」なまま進めば、どんなに優秀なデザイナーや代理店でも結果は出ません。

伴走型に切り替えた瞬間の変化

一方で、弊社に伴走型で切り替えた工務店の事例があります。

最初は半信半疑で、「この打ち合わせに本当に意味があるのか?」と社長は疑っていました。
でも毎月30分でもいいからと、目的や方向性を確認し続けました。

1年後、その工務店は 毎月2〜3件だった新規問い合わせが月10件に増加
社長は笑顔でこう言いました。

「続けてきてよかった。疑ってごめんね」

その表情は、最初の呆れ顔とはまるで別人。
笑顔に安心感が混じり、未来を信じる力を取り戻した瞬間でした。

丸投げ vs 伴走型:違いを整理する

丸投げ外注

  • 社長「お金を払ったから全部任せたい」
  • 外注「目的が見えないまま納品」
  • 結果:成果が出ず、「センスがない」で終わる

伴走型パートナー

  • 社長「短時間でも目的を共有」
  • パートナー「なぜ・誰に・どう届けるかを理解」
  • 結果:施策が改善サイクルを回し、成果が積み上がる

外注とパートナーの違いは 理解の深さ
この違いが、問い合わせ数や売上の差となって表れるのです。

チェックリスト:外注が「伴走型」かを見極める質問

  1. 月に一度でも目的を共有する時間をとっているか?
  2. 成果が出なかったとき「誰の責任か」ではなく「何を改善するか」と言えるか?
  3. お客様の顧客(=エンドユーザー)の声を一緒に調査しているか?
  4. デザインや広告の話だけでなく「事業戦略」まで会話できているか?

この4つに「はい」と答えられない外注は、伴走型ではありません。

まとめ:福岡・九州の中小企業に必要なのは「伴走」

外注は「お金を払って任せる」関係。

パートナーは「同じ未来をつくる」関係。

福岡・九州の中小企業が生き残るために必要なのは、丸投げできる誰かではありません。理解し、共に走り、成果を共有できる伴走者です。

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丸投げ外注から抜け出すための視点をまとめていますので、ぜひご覧ください。

お問い合わせ

World Sceneでは、広告やデザインにとどまらず、経営者の頭の中を整理するところから伴走しています。

「外注に失敗してしまった」と感じている経営者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を書いた人

あらたけけいし

株式会社World Scene 代表

あらたけけいしKeishi ARATAKE

福岡市を拠点に、中小企業のブランディング・マーケティング支援を行うデザイン会社 株式会社World Sceneを経営。広告業界での経験を経て独立し、「広告に頼らず成果を出す仕組みづくり」をテーマに、工務店・飲食店・美容室・食品製造業など幅広い業種の経営者を伴走型で支援しています。 強みは、経営者の想いを言語化し、戦略とデザインに落とし込むこと。SEOやSNSを活用した集客導線の設計、採用ブランディング、Webサイトやパンフレット制作までを一気通貫でサポート。福岡・九州の企業が「選ばれる理由」をつくり、継続的な成果につなげることを使命としています。 趣味はお酒。経営課題を考える時間と同じくらい、晩酌の研究にも余念がありません。

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