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企業の生産性を変える、名刺作成におけるデザインについて考えてみた。

#クリエイティブ
#名刺

こんにちは、World Scene代表のあらたけです!
World Sceneでは、企業ブランドを表現するデザインプロデュースを行なっています。
活動のなかで、意外と「いつものやつで!」となっているのが今回の題材である”名刺”です。
実はここに大きなビジネスチャンスがあるんです。

「とりあえず名刺つくろう。」
「カッコいい感じで!」
「シンプルが一番。」
「安くてスピード重視で!」

昨今デジタル化が進み、国内の半数、いや、それ以上の企業は名刺に対してのこだわりがなくなっているような気がしてなりません。

事実、オンラインで完結する商談シーンでは名刺を交換するという文化もなくなり、オフラインであっても名刺管理アプリなどのシステム活用によって交換した名刺はスキャンし、見返す機会もなく引き出しのファイルに保管されたまま。このように紙の名刺の価値が薄れていっている時代なのかもしれません。

だからこそ名刺には、デザイン一つで企業や営業の生産性を高められる可能性が詰まっていると考えています。

たくさんの名刺をデザインさせていただいた経験からも、弊社は名刺一つにこだわりをもって作成してきました。この記事を機に、名刺について改めて考えるキッカケになればいいなと思い書かせていただきます。

コロナ禍後の名刺作成の必要性

Sansan株式会社の新型コロナウイルス感染症拡大にともなう、「コロナ禍における名刺文化に関する意識調査」の結果によると、ビジネスにおける名刺の必要性はコロナ禍前は75.0%が「必要だと思う」と感じていたのに対して、コロナ禍後は59.5%に変化しています。

名刺へのニーズは依然として強い反面、「紙へのこだわり」は意識が変化していることがわかります。
ここから紙とデジタルの双方にニーズがある状態と言えます。

「アメリカじゃ、名刺すら受け取ってもらえない?!」:海外の名刺文化からわかる、日本のビジネスチャンス

では海外に目を向けてみると、名刺文化は日本と海外でルールが大きく違います。

以前海外に行った際、国際交流の場で真っ先に驚いたこと、それが挨拶のマナーです。

アメリカの方とご挨拶させていただいた際は「握手」。フランスの方に関しては名刺を持っていない方もおられました。そうなんです、日本で当たり前にマナーだと思っていた名刺交換という儀式、むしろ海外ではマナー違反のような捉えられ方だったのです。

後から調べてみると、欧米では相手の目を見て握手することこそがビジネスマナーであり、名刺というのは連絡先としての意味合いしかないため取引するメリットを感じたときのみ交換するのが当たり前だそうです。ちなみにフランスでは一定の役職以上の方しかそもそも名刺を持たないとか。

私はこの経験があって会社の名刺について、考えを改めるようになりました。

そもそも、日本では名刺交換をすることがマナーです。いわば、ビジネスチャンスです。せっかく受け取ってもらえるのに、印象付けるチャンスなのに、デザインや素材にこだわりをもって作成しなくていいのであろうか。違和感を覚えた私は、まずは自社の名刺から作り直すことにしました。

名刺デザインのポイントは、インパクトのある表現力にあり

ここからは弊社の実例から生産性が向上したポイントをご紹介します。

自社の名刺を作り直すにあたって、まずは何をどう変えればいいんだろうという壁に直面しました。
変に情報を詰め込みすぎても、相手には伝わりづらい。かといってシンプルだと印象に残らない。
そう考えていくうちにデザインや内容ではなく、そもそも紙という材質に目を向けるようになりました。

弊社はアパレル事業においてオーガニックコットン100%のTシャツを販売するなどSDGsへの取り組みを行っております。そのことがキッカケで、名刺の素材にはどのようなものがあるのかを調べて辿り着いたのが”間伐材”でした。

間伐材を活用した取り組みでとても魅力的だったのが、日高市の掲げる、2050年までに二酸化炭素の排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ共同宣言」の表現方法です。取り組みの一環で、市職員の名刺を西川材の間伐材を活用した木製名札に変える活動をされているのを拝見しました。

参考:間伐材活用の木製名札 日高市職員が着用

プラスチック製品を減少させ、木材の形を変えながら利用を繰り返すことで有効活用していく、そのエコとデザイン性にとても心動かされました。
間伐材を使った名刺にビビっときた私は、福岡の展示会で出会った現在の協力会社であるフロンティアジャパン様にデザインした名刺を発注させていただくことに。そこから、弊社では間伐材を使った名刺を活用しております。

デジタル化が進む中で、”あえて”オフライン用の名刺を作成しました。
会社や個人を体現するアイテムですのでデザインや内容も重要です。ただ、素材にこだわるだけでもインパクトがあります。

実際に弊社はこの名刺の活用でSDGsへの取り組みを表現できたことにより、SDGs登録企業様とのつながりや、SDGsへの取り組みの一環としたデザインをするお仕事をいただけるようにもなりました。何より、商談の際に「この名刺、いいね!」って会話が弾むことが正直、一番嬉しかったりします。

文化とデザインを武器に、勝てる名刺を。

あくまでもご紹介したのは弊社の事例です。
伝えたいことは、たかが名刺、されど名刺だということ。たかが名刺、その名刺こそがビジネスチャンスです。

当たり前のように済ませる名刺交換を、印象に残る名刺交換にすることはオンラインが進むこの時代だからこそ、オフラインを強くする施策の一つとして簡単にできて、生産性に結びつくのではないでしょうか。今一度、名刺から見つめ直した顧客とのタッチポイントを整理するキッカケになれば嬉しいです。
私たちは生産性を上げるクリエイティブ制作も行なっておりますのでお気軽にご相談ください!

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※日曜は休肝日です。